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《THE UNIVERSE 月曜日》文字起こしvol.3:松尾潔×久保田利伸対談(2008年3月31日放送)vol.9【ファンクの呼び声】

KC「眠気覚ましという感じで、90年のキッパー・ジョーンズの作品で、「キャリー・オン」」

♪Kipper Jones / Carry On

Kipper Jones - Carry On(1990)
♪Isley Brothers / I Once Had Your Love?


KC「1990年にリリースされましたキッパー・ジョーンズのソロアルバム、『オーディナリー・ストーリー』から、彼なりのソウル賛歌、ファンク賛歌ですね。「キャリー・オン」はこの番組では一昨年、2006年10月16日にオンエアして……番組が始まって間もない時、1回目2回目くらいですかね、それ以来となりました。そして、月ユニクラシックと言って良いかもしれません、アイズリー・ブラザーズ「アイ・ワンス・サッチ・ア・ラブ」(聞き間違いかも?)。1988年(聞き間違いかも?)のアルバムから一発聴いていただきました。キッパー・ジョーンズの「キャリー・オン」をかけたら、アイズリー、もしくはアイズリーのカバーをかけなきゃいけない、というのがこういう音楽が好きな人間にとっての宿命です」
久「気持ちのいい選曲と流れですよ。しかし、キッパー・ジョーンズの歌に出てくる名前がね(笑)」
KC「ちょっと古いですよね」
久「まあ、「ファンク」という所で」
KC「ただファンクの定義ってほんまもんのキッパー・ジョーンズから言うと相当広いんだなあと思いすね。マイルス・デイヴィスはわかるけど、サラ・ヴォーンまでいて。かたやMCハマーとも言ってましたね、時代なんだけど」
久「そこまで行くつもりなはくて、ジェイムス・ブラウンとかザップとか、そこらへんでいこうと思ったんだけど、ファンク曲の長さにもよって他に入れなきゃいけなくなったのかもね」
KC「この曲聴いてる時、久保田さんがしきりに「人の名前入れると歌詞かせげるんだよなあ」っておっしゃってましたよね(笑)」
久「そんなこと言いましたっけ(笑)」
KC「僕がライターやってるときに文章の字数を埋めたいっていう時とほんと似てますよ(笑)。やっつけっぽくて良くないんじゃないですかお互いに(笑)」
久「ありえないねそんな(笑)。すばらしい音楽があって、そこに文章を書いたりとかね、音楽を歌う仕事に恵まれて曲を作ったり歌ったりする時に、やっつけなんて!……ありえないですね(笑)」
KC「でも、キッパー・ジョーンズがやっててほしいという気持ちが、ちょっとある。そういうゆるめの部分をおもしろがって見る気質が、ファンクリスナーには絶対ある。あんまりタイトにオーガナイズされたものって窮屈でしょ」
久「というか、そんなきっちり作ったファンクはないね(笑)」
KC「元のファンクの定義から外れるかもしれない(笑)」
久「大事な話を聞いた気がするな~(笑)」

Ordinary Story

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