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第36回(2005年12月07日放送)註釈

公式ブログ(12月7日分)

収録前半部→11月28日(?)13時〜。その後12月14日放送分(ゲスト:カヒミ・カリィ)収録
収録後半部→12月1日。14日放送分の後枠を録ってから、7日放送分の残りを収録

通称:ワープ回。前半は外国のジャズ、後半は日本のジャズ特集。


27:00

流浪の番組

タモリ倶楽部』で冒頭でタモリが言うセリフ。(→公式


■200CD

菊地成孔編著『200CD 菊地成孔セレクション ロックとフォークのない20世紀』(学研刊)のこと。大谷は『Liberation Music Orchestra』と『Jazz Composer's Orchestra』が並んでることを喜んでいた「なんだこの左翼性は」。

Jazz Composer's Orchestra

Jazz Composer's Orchestra

Liberation Music Orchestra

Liberation Music Orchestra


■MJQ(Modern Jazz Quartet)

モダン・ジャズ・カルテット。1952年結成。


■『ジャンゴ』

MJQのアルバム。1955年発表。ジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardt)に捧げられた。

ジャンゴ

ジャンゴ


■『フォンテッサ』

MJQのアルバム『Fontessa』。1956年発表。

フォンテッサ

フォンテッサ


■ミルトジャクソン

前述MJQのメンバー。


■『プレンティプレンティソウル』

Plenty Plenty Soul

Plenty Plenty Soul


■ジョンルイス

前述MJQのメンバー。


■ボブ・ワインストック(Bob Weinstock)

ジャズレーベル「プレステッジ」の創設者。ジョン・ルイスを毛嫌いしていたことでも有名。MJQのメンバー全員使ってもピアノだけは変えた。


■『マイルス&モダンジャズジャイアント』

マイルス・デイヴィスMiles Davis And The Modern Jazz Giants』のこと。1956年作品。バックはMJQだったが、ボブ・ワインストックによってピアノだけセロニアス・モンクに差し替えられた。「喧嘩セッションと言われているが喧嘩はなかったと思われる」。


■クインシートループの『マイルスアンドミー』

マイルスの自伝の共著者Quincy Troupによる評伝『マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔』(原題『miles and me』)。

マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔

マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔


■『マイルスデイヴィスリーダー』

『The Miles Davis Reader (Downbeat Hall of Fame)』のこと。「マイルスのことがぼろくそ言われてる」インタビューがあるらしい。レーダードフェイザー(?)が企画。

The Miles Davis Reader (Downbeat Hall of Fame)

The Miles Davis Reader (Downbeat Hall of Fame)


■サミーデイヴィスJrがミルトジャクソンと似てる

戦後のジャズのコンサートでは別の人が来てもわからなかったらしい。


レニー・トリスターノ(Lennie Tristano)

「カルトと言っていい音楽の先生。目が悪く、ほぼいちばん最初に自宅にスタジオを作った。授業中、外が暗くなっても誰にも電気をつけましょうと言えなかったという逸話を持つ」。


■トリスターノ学派

「具体的・固有的な音楽理論フォームが残っていないためいまだに研究してるひとがいる。都市部の黒人の作ったビバップ(根底にブルース衝動/構造が組み込まれた/機械的な音楽)を白人がブルース衝動を取っちゃって、現代音楽の耳で捉えなおした音楽といえる」。


■本多さんのお父さんの番組

本多俊夫『ゴールデン・ジャズ・フラッシュ』(?)(NHK-FM?)のこと。菊地はモノマネが得意だった(ラジオ中に3回披露している)。


■『リー・コニッツ with ウォーン・マーシュ』

Lee Konitz with Warne Marsh』1955年発表。

リー・コニッツ・ウィズ・ウォーン・マーシュ(完全生産限定盤)

リー・コニッツ・ウィズ・ウォーン・マーシュ(完全生産限定盤)


■ドイツの裸体運動


新主流派・・岩波洋三

新主流派の説明ははてなキーワードのものがいちばんわかりやすかったのでそちらを参照のこと。ラジオ内の説明としては、「終戦直後ビー・バップが出てきて一回ジャズが荒れ、ここらでアートフォームとして締めなおそう、という流れで出てきた。とはいえ、クラシックにおける新古典(近代主義によって荒れたフォームをもう一回元に戻してみる)ほど戻るわけではない。ディキシージャズのような懐古主義とは違う。新主流派はどちらかというと、響きをジャズのサウンドにして、中身を違うものに、という一種のシンプリシティーみたいなことが起こる。レコードの普及によって15年で荒れしまったジャズ。もうちょっとするとブルース回帰みたいなことも起こる」というものだった。ハンコックの『処女航海』を想像すればいいんだろうか。ジャズ評論家の岩波洋三が「mainstream jazz」を「新主流派」と訳した。


■ボビー・ハッチャーソン『ハプニングス』

Bobby Hutcherson『Happenings』。1966年作品。新主流派の例としてオンエアされた。しっとり。

ハプニングス

ハプニングス


マイルス・デイヴィス『カインド・オブ・ブルー』

Miles Davis『Kind Of Blue』。1959年作品。ジャズで最も有名な盤で最も売れた作品。ラジオでは「新主流派のフォームはすでにこのアルバムに規定されていた」と説明されている。


リンカーンセンタージャズオーケストラ・・ウィントン・マルサリス

リンカーン・センター・ジャズ・オーケストラ(Lincoln Center Jazz Orchestra)は、ウィントン・マルサリス(Wynton Marsalis)が結成した。「壮大な歴史修正の夢、あるいは北米国家に対し音楽的な孤独なプロテストとして、アメリカ音楽約70年の歴史におけるジャズをクラシックと同等にしようという運動をした。彼は、リンカーンセンターのボスになり、アルバムごとに各個の黒人音楽の歴史の遺産をコンセプトごとにフォーカスしては打ち出していく、ということを国のお金でやっていた。「奴隷が払ってきた苦労に比べればこんなの全然悪くない」と舌鋒するどい。オーケストラにおいては、一番下の四番トランペットを担当。アレンジもせずソロもとらない。前に出てきて指揮もしないで睨みをきかせてる、見守る、という立場で一番後ろに引いている」ちょっとまとめきれないので全て引用。あとでなんとかする。


■『プレイズチャールズミンガス(ミュージックオブチャールズミンガス)』

「このアルバムでは、ミンガスの曲をていねいにアレンジしなおしている。ソロやピアノのクラスターまで採譜しているのが特徴。アレンジはロン・ウェストレーという若手のトロンボーン奏者に任せている。正式な表記は「Lincoln Center Jazz Orchestra “with” Wynton Marsalis」」

Don't Be Afraid: The Music of Charles Mingus

Don't Be Afraid: The Music of Charles Mingus


■『ミンガス at モントレー

64年。「Meditation on integration」初演。ミンガスの弓弾きの美しさとベースランニングのピチカートにはっとさせられる。ばっちんばっちん言ってる。「ボビーブライアント」(?)。

ミンガス・アット・モンタレイ

ミンガス・アット・モンタレイ


モントレージャズフェスティバル

「近くに飛行場があるので名演なのに飛行機の音が入ってることがおおい。フォレストフラワー。キースジャレットがソロをとったときに飛行機の音がすごい。セロニアスモンクがきたら飛行機で二回まわって降りたという伝説も」。


■クンタキンテ・・『ルーツ』

1976年のアレックス・ヘイリー(Alexander Palmer Haley)の小説『ルーツ(原題:Roots: The Saga of an American Family)』および1977年に放送されたアメリカのTVドラマ『ルーツ』とその主人公クンタ・キンテ(Kunta Kinte)のこと。ヘイリーが自らの家系を調査し、それを元に創作したもので、奴隷貿易の残酷さを描いている。日本でも同年放送され、社会現象になった。
大谷はこの後、1stソロアルバム『「河岸忘日抄」より』で堀江敏幸の『河岸忘日抄』の2章を朗読していて、そこにも『ルーツ』の記述がある。

ルーツ コレクターズBOX [DVD]

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鳥インフルエンザ

2003年ごろから世界中で流行した感染症。現在ではワクチンが開発され生命を脅かす病気ではないが、2005年は日本でも10万羽以上の鶏が処分されるなど、当時でもシャレにならない冗談だった。


■おれたちにはもちぶたがついている

不明。豚?「もち豚とは、品種や肥育法ではなく、肉質がもっちりとしてきめの細かい、良質の豚肉を指す名称」これかもしれない、とのこと。(thanks to shimosieさん)


■ドクタードレの「ネクストエピソード」

ラッパー/プロデューサー/アフターマス(Aftermath)代表であるDr. Dreの現時点での最新作『2001』収録曲、「The Next Episode feat. Snoop Dogg」のこと(1999年発表)。リスナーからのリクエストだったがオンエアはなし。

2001

2001


■ジャズ喫茶

狭い店内に爆音でジャズが流れる喫茶店。菊地・大谷によると「まずいアイスコーヒー、気の抜けたコーラ、マスターがこだわって作っているうまげだがまずいホットコーヒー」が特徴らしい。


■テオマセロ


■『テオ』

キップ・ハンラハンが編集したTeo Maceroの音源集『Teo』のこと。「ラウンジミュージックと現代音楽という自分の両極端の教養をつめこんだ珍盤」。小西康陽はテオのLP盤持ってるのが自慢だったらしく、ピチカート・ファイヴのライブの客入れに使っていた。

TEO

TEO


■『テオ』のレビューを3つ書いた

そのうちのひとつ、雑誌『ミュゼー』2002年1月に掲載されたものが『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』(2004年)に収められている。


キップ・ハンラハン

Kip Hanrahan。ミュージシャン/コンポーザー/アメリカンクラーヴェ主催。

ピアソラ

アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)のこと。アルゼンチンタンゴのいちばん有名なひと。


28:00

長渕剛

ナガブチ。渋谷の貸スタジオ「マトリックススタジオ」で収録していた菊地・大谷のとなりで収録していた。」


■だっちゅーの

お笑いユニット、パイレーツの一発ギャグ。2008年、「ボキャブラ天国」の特番で数年ぶりのリユニオンされたが、あんまり仲がよさそうではなかった・・。ここ1、2年で両者がヌードを披露したがそんなに話題にはのぼらず。


■ラブラブファイヤー

ダウンタウンのごっつえぇ感じの連作コント「結婚前提戦士ラブラブファイヤー」のこと。全3×話。


■俺が倒れて大谷くんがひとりでやった

第33回(2005年11月16日放送)のこと。収録前日に菊地が風邪をこじらせ緊急入院。きゅうきょ大谷がひとりで収録を行い、後から菊地が収録音源にコメントをかぶせる、ということが行われた。菊地を心配しておろおろする大谷の放送を数日後の菊地が爆笑しながら聴いている収録放送、という極めて奇妙な放送になった。


■キノベスの5位

紀伊国屋書店の店員が選ぶ「キノベス」で『東京大学のアルバート・アイラー』が5位に入賞した。菊地は10位の吾妻ひでお失踪日記』の帯を書いている。

東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編

東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編


■アイラーがガンダムに搭乗

第32回(2005年11月09日放送)のネタのこと。FictionJunction YUUKA「焔の扉」にアイラーをミックスした所から発展した「ガンダムに乗ってるのがアイラーだったら興味がある」。


■自宅から紀伊国屋書店まで5分

菊地の家は歌舞伎町にある。


吾妻ひでお失踪日記

2005年作品。菊地が帯を書いている。

失踪日記

失踪日記


中山康樹

日本のジャズ評論家。菊地はこの後『月刊プレイボーイ2月号 ジョン・コルトレーン特集』で接触する。


ノーフィアー(No Fear)

プロレスラー高山善廣大森隆男のタッグを中心としたユニット。あと浅子。「行くぞーノーフィアー!」の掛け声が目印。なのはもう高山だけか。2004年には解散していた。

D


白木秀雄『祭の幻想』

「1961年発表。2005年最後の発掘音源。中古盤市場に出回らないことでも有名。金箔をはった部屋で法被で豆絞り。 チック・コリアとは関係ない→同名アルバム?。琴が入ってる。ちゃんとしてる所がビザール。珍盤とされているがアート・ブレイキーなどのハード・バップのそっくり音楽。芸大の打楽器科出身。数奇の人生、非業の死を遂げる。自宅で変死体で見つかる。晩年はゲイになったとか、街娼としての都市伝説もある」。

祭りの幻想

祭りの幻想


ホリエモン

ライブドア社長、堀江博文のこと。この場合は(レコードを)“掘る人”の意。


■お座敷ルンバ・お座敷マンボ

不明。宴会ソングみたいな意味だろうか。


■年末にモロッコジブラルタル

『野生の思考』ジャケット撮影のための海外ロケ(菊地)。この模様は『エスクァイア2006年08月号』にレポートが載った。

Esquire (エスクァイア) 日本版 2006年 08月号 [雑誌]

Esquire (エスクァイア) 日本版 2006年 08月号 [雑誌]

野生の思考

野生の思考


渡辺貞夫「ムトト」

1972年発表『SADAO WATANABE』収録。最初にアフリカに行ったときにできた作品。ギターが高柳昌行。聴きながら「そっくりだな・・」(何とそっくりなのかは不明)。

SADAO WATANABE(紙ジャケット仕様)

SADAO WATANABE(紙ジャケット仕様)


マイルス・デイヴィス『ビッチェズ・ブリュー』

Miles Davis『Bitches Brew』。1969年作品。


山下洋輔

日本のジャズピアニスト。ピアノを燃しながら弾いた。音が出なくなったら煙草に火をつけた、という。菊地の師匠。


■渡辺文男

渡辺貞夫実弟。アフリカのリズムに精通したジャズドラマーだったが兄弟では決してアフリカアルバムは作らなかった。


■日野兄弟

日野皓正と日野元彦のこと。


富樫雅彦アイソレーション

映画『連続射殺魔』(監督:足立正生)のサウンドトラック(非公開)。高木元輝とのデュオ。この後、事故で下半身不随になり、パーカッショニストとなる。下半身の演奏が聴ける貴重な録音。


リル・キム

ビッチ。(→公式※海外


■『UOMO』の連載

『LEON』の兄弟雑誌。『UOMO』で菊地は連載をもっていた。(→公式




■『LEON』がバラエティ番組とコラボ

笑っていいとも!』のコーナー「 いいとも!ちょい不良オヤジコンテスト」のこと。ジローラモが出てた。


■『東京カレンダー』『(東京)情緒食堂』

東京カレンダーが発行している雑誌。(→公式


■『MEN'S CLUB』

雑誌。(→公式


ジョージ川口

日本のドラマー。「満州からB-29に乗って帰ってきた。フィリピンでワニに襲われたがギャラの札束を噛ませてなんとか逃げおおせた」


マイルス・デイヴィス死刑台のエレベーター

1957年作品。映画とジャズのセッションというかたちで発売したが、本当の所しっかり作曲されたものとされている。

死刑台のエレベーター[完全版]

死刑台のエレベーター[完全版]


副島輝人『日本フリージャズ史』

2002年発売。

日本フリージャズ史

日本フリージャズ史


オスカー・ピーターソン


■『軍艦マーチのすべて』

三島由紀夫が指揮している「軍艦行進曲」がある。ラジオ録音。だんいくまの番組で。ミャンマーで『軍艦マーチ』が使われてる。

永久保存盤 軍艦マーチのすべて

永久保存盤 軍艦マーチのすべて


三島由紀夫

「空っ風野郎。安部譲二にボクシングを習ってた。蟹が嫌い。ノーベル文学賞受賞記念で川端康成邸でNHKのアナウンサーと鼎談している」。

からっ風野郎 [DVD]

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自衛隊自衛軍に、防衛庁防衛省

この辺→自衛軍問題防衛省昇格問題


インドネシア日本海軍の歌

よく聴かれてるらしい。93年バリ島、サランギアニアル録音。


■パチンコマン

これのことかな。ジャンジャンバリバリ。


■『戦場のメリークリスマス

大島渚監督作品。1983年発表。「軍国調のしゃべりの振り方がおもしろい」。

戦場のメリークリスマス [DVD]

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■クリフォードブラウン&マックスローチ『ラストコンサート』

Clifford Brown Max Roach Quintet『The Last Concert』。2枚組CD。伝説の交通事故の1週間前の録音。

The Last Concert

The Last Concert


■「ノーマンベーツって言っても最後(?)ではないんだぜ」

不明。ジョークの引用らしい。


■いいこと言った・・チョメチョメ

山城新伍のギャグ。

曲目リスト

1. MJQ (Modern Jazz Quartet) / Versailles 『Fontessa』
2. Miles Davis / The Man I Love 『Miles Davis And The Modern Jazz Giants』
3. Lee Konitz with Warne Marsh / Two Not One 『Lee Konitz with Warne Marsh』
4. Bobby Hutcherson / Bouquet 『Happenings』
5. Lincoln Center Jazz Orchestra with Wynton Marsalis / Meditations on Integration 『Don't Be Afraid: The Music of Charles Mingus
6. Charles Mingus / Meditations on Integration
7. Teo Macero / Heart On My Sleeve 『TEO』
8. 白木秀雄/ 祭りの幻想 『祭りの幻想』
9. 渡辺貞夫 / ムトト 『SADAO WATANABE』
10. 富樫雅彦 / Isolation? 『Isolation』
11. ミャンマー国軍軍楽隊 / 軍艦マーチ 『軍艦マーチのすべて』
12. 読売日本交響楽団 / 軍艦マーチ 『軍艦マーチのすべて』
13. ラグ・アンカタン・ラウト・ジュパン(日本海軍の歌) / イ・ワヤン・マドラ イ・クトゥット・ムディナ(ティンクリック) 『軍艦マーチのすべて』
14. Clifford Brown Max Roach Quintet / Tea For Two 『The Last Concert』

参考文献・URL

WANTED!オンエア曲まとめサイト菊地成孔大谷能生
http://wantedcojp.web.fc2.com/wanted/kikuchi.html

その他いろんなところを見ました。個別には各項参照。引用(括弧書き)は断りのない限りラジオでの発言を元にしています。


まだ不十分なのでつっこみ・訂正・補完等あればおねがいします。