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《THE UNIVERSE 月曜日》文字起こしvol.3:松尾潔×久保田利伸対談(2008年3月31日放送)vol.10【キース・スウェット新譜とデュエットについて】

KC「キース・スウェットのアルバムが来月久々に出ることになりまして、10枚目なんでけれども(9枚目かな?)。X'masアルバムとかライブアルバムは出てましたけど、いわゆるオリジナルアルバムとしてはこの2,3年出てなくて、やっとでることになりました。『ジャスト・ミー』っていうアルバムなんですけど。僕、今、日本版のライナーノーツを久々に手掛けることになって、がっつり聴きこんでるんですが」
久「内容はどうですか」
KC「カミンバックですよ」
久「俺たちが聴きたいキース・スウェットがいるわけか」
KC「そうなんですよ。この間のビルボードライブの時も、あれ、キース・スウェット今いくつだっけと思いませんでした? 11月くらいでしたっけ」
久「というか、キース・スウェット大好きだからさ」
KC「僕の中ではキース・スウェットってキャリアの中ではスランプってないんです。僕にいわせりゃ。でも、なんか今いい感じの上昇カーブを描いているような気はします」
久「キース・スウェットってさ、ゲロゲロ歌が上手いっていうわけではないんだよね」
KC「元からね」
久「そこがね、でもだからといって、他の誰かに歌えるかっていうと誰も歌えない」
KC「そこがテディ・ライリーと違う所ですよね(笑)」
久「ここがキース・スウェットの魅力で。聴く人にとってもいいし、いつも自分の音楽を作る時に不器用だから自分のスタイルがはっきりしていて、でもその分時代の音に少しずつ反応したりだとか」
KC「少しずつ入ってるのが良いんですよね」
久「「変わりゆく変わらないもの」みたいな……これ誰が言ったんだっけ」
KC「ネルソン・ジョージですね。その「変わりゆく変わらないもの」を体現しているキース・スウェットの新譜から1曲聴いていただきましょうか。今回のアルバムの中で、テディ・ライリーが1曲プロデュースしていて、27時のテディ・ライリーの最終回にふさわしいかなと思ったらかけようと思ったんですよ、「ザ・フロア」って曲なんですけど。テディ・ライリーがオケを作って、ネクストっていうグループのリードボーカルのR.L.(ロバート"R.L."ハガー)って人がリリックとメロディーをやってる中々良いファンクなんですけど、日本のレコード会社に「まだかけないでくれ」と言われまして……じゃあ、ということでキーシャ・コールとのデュエットをご紹介したいと思います。色々と縛りがありますな……縛りがあるところから何かが生まれるのかもしれませんけどね」
久「そうですね」
KC「これも良い曲です、「ラブ・ユー・ベター」」

Keith Sweat & Keisha Cole / Love U Better

Keith Sweat Feat. Keyshia Cole - Love U Better
♪Toshi & Angie Stone / Hold Me Down

Toshi Kubota Hold Me Down feat Angie Stone

KC「デュエット2曲続けてみました。キースス・ウェット・フィーチャリング・キーシャ・コールで「ラブ・ユー・ベター」。あとはアンジー・ストーンをフィーチャーしたトシの「ホールド・ミー・ダウン」(2004年『タイム・トゥ・シェア』所収)」
久「「トシ」っていうのがね(笑)」
KC「どのトシっていう(笑)」
久「敏いとうとハッピー&ブルーだったりして(笑)」
KC「そうきたか!(笑)」
久「ムード歌謡とソウルっていうのがね(笑)。でもこの曲のこのノリね……2004年か。トラックはどっちかというとアンジー主導で作ったんだよ。アンジーは世代はもう20年くらいずっとシュガー・ヒルと一緒にやってたくらい古いんだけど、さすがにあの馬鹿……じゃなくて(笑)、シュガー・ヒルとのっけからやってるだけあって、ずっと隣にヒップホップグル―ヴがあるんだよね」
KC「そうなんですよね。歌い方はいわゆるソウルボーカルなんですけどね」
久「だからか、いつも新しいことをやれるんだよね。「ホールド・ミー・ダウン」のグル―ヴも、なにげないグル―ヴなんだけど、なんとなく時代の音になってるんだよね。キヨシちゃんのダブルのあの曲(2007年「残り火-eternal BED-」)とかも、日本ではまだ誰もやってないでしょ?」
KC「僕なりに新しい試みのつもりなんですけどね。確かにね、キックとか拍の打ち方なんかは「ホールド・ミー・ダウン」の影響を受けてないとは言い切れません」
久「この曲の影響というか、今静かなブームになってるんだよね、このノリ」
KC「爆発的なブームではないんですよね。歌好きが好きな四つ打ち解釈というか」
久「キーシャ・コールもまた大好きだからさ」
KC「僕なんかに言わせるとメアリーJブライジ以来の熱い女ですよね」
久「いやいやそれは「俺に言わせれば」じゃない?(笑)俺が言いたかったよ、それ(笑)。10年に一人ずつ出てくる位の」
KC「情念の熱い女なんですよね」

ジャスト・ミー

ジャスト・ミー

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