『フ式』比較《第二章》(文庫P76〜158) vol.2
- 元ネタ
- P81 『平安京エイリアン』のステージみたいに入り組んでいた
友美恵宅周辺の道。
フリーゲーム『平安京エイリアン』。東大の理論科学グループが79年に発表。ダウンロードはこちらから。
- P82 佐奈と公彦と犬。
佐奈が死にそうな犬を拾い、公彦が殺そうとうするシーン。
ラジオドラマ版『東京星に、いこう』の猫(珊瑚)を拾うシーンの恵庭あしかとナオミ。公彦が犬を殺そうとするシーン。
森鴎外『高瀬舟』。「中央公論」1916(大正5)年1月1日発表。原文はこちら。元ネタは主人公・喜助が、弟の自殺を図って首に刺した剃刀を抜いたことが安楽死になるのかという箇所。「高瀬舟」の元ネタは随筆集『翁草』の「流人の話」。
- P87 ジェラード
明日美のストーカーへの評価。
映画『逃亡者』(1993年発表)の主人公を追跡する保安官。続編『追跡者』(1997年発表)は、くりぃむしちゅー上田がレンタル屋で既に観ていたことを忘れて3回借りたことでも有名なB級映画。
- P90 ギズモ
佐奈が怖がっていたキャラクター。他ジェイソン、フレディ、お岩さん。
映画『グレムリン』(1984年発表)のキャラクター。
- P90 『エクソシスト』
稜子が借りてきたビデオ。
映画『エクソシスト』(1973年発表)。テーマ曲のマイクオールドフィールド「チューブラーベルズ」は、バージョン違いだけでも4作、変奏作品も多数存在する、彼のライフワークとなったデビュー作。『エクソシスト』先行で有名だが、実は曲が売れ映画のテーマ曲に採用された。ちなみにヴァージンレコード最初の音源でもある。
- P93 エコエコ・アザラク…黒井ミサ
公彦が蝋燭を取り出すしぐさを形容。
古賀新一の漫画『エコエコ・アザラク』とその主人公・黒井ミサ。1975〜79年より以下続刊。さまざまなメディアで映像化をくりかえす黒魔術なオカルト漫画。ドラマ版第一作は97年放送。
- P93 蝋燭…アウトドアランプ…スタンド・バイ・ミー
友美恵を監禁した病室の灯り。
スティーブン・キングの中編小説「スタンドバイミー」(原題は「THE BODY」=死体)のワンシーン。82年発表、86年映画化。『恐怖の四季』のうちの秋編「死体」。
- P98 小島信夫の引用
創士(=公彦)のセリフ。
不明。
- P120 村上龍…緊張感をエネルギーに
公彦のセリフ。
村上龍の小説『ヒュウガ・ウィルス』より。96年発表。
- P143 『死の認識』
創士のセリフ。
大塚英志×田島昭宇の漫画『多重人格探偵サイコ』のセリフ<死のイメージ>?
- P144 サリンジャー、ブーパーのセリフを引用。
創士(=公彦)のセリフ。
サリンジャーの短編「テディ」のテディの妹<ブーパー>とそのセリフ。新潮文庫版P265L15を参照。『ナインストーリーズ』に収録。