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《THE UNIVERSE 月曜日》文字起こしvol.3:松尾潔×久保田利伸対談(2008年3月31日放送)vol.4 【ゴードン・チェンバースとふたりの関係】

久「俺さ、ゴードン(・チェンバース)がブラウン・ストーンのこの曲をプロデュースして……これ、もしかして曲まで作ってる?」
KC「いや、おそらくリリックとメロディの一部、っていうことなんじゃないかなあ」
久「やっぱりそんな感じか。その成り行き、俺、すごくわかるな。ゴードンはさ、曲は後からか先からかは知らないけど、あったとして。歌詞を頼まれて書いて、必ずレコーディングに行っちゃうんだよね。それで、レコーディングしてるうちにメロディ浮かんじゃうから、そのままスタジオ入っていって歌っちゃうのね。そうすると、ブラウン・ストーンの歌が気に入らなくなって……「もっとこう歌え!」ってことになって。たぶん、サビなんかはゴードンが作り直したんじゃないかな」
KC「その時のスタッフは「この雰囲気どうしてくれるの?」っていうのがあったでしょうね」
久「……ぼくは経験してますね。それこそ10年前にゴードンとやったときにね。もう、あのテンションになったら誰も入れなくなっちゃう」
KC「(19)95年の『サンシャイン・ムーンライト』のときに、「えー、久保田さん今回ゴードンとやったんですか!ブラウン・ストーンとかアニタ(・ベイカー)の「アイ・アポロジャイズ」とか最高じゃないですか!」って言ったら、久保田さんとスタッフの方が「KCと(ゴードンを)同じ日に事務所に呼ぼう」という、粋な計らいをしてくださって。ゴードンはその頃『エッセンス(・マガジン)』の編集者でもあったんですよね。で、とにかく編集者辞めて歌いたいと。インタビューのときも、最初は「トシ・クボタはほんとにすばらしくて」って普通に話してたのに、途中から自分の歌自慢になって、あの人、最終的には歌ってましたからね(笑)。久保田さんも、お人が良いからハモッてあげちゃって(笑)。」
久「そうだっけ。でも……あー、やりそう(笑)」
KC「久保田さんのニュー・アルバムのインタビューなのに、本人にハモらせてました(笑)」
久「ニュー・アルバム? うわ、それ歌詞の打ち合わせしてたときだ! それで、マーヴィン・ゲイの「ディスタント・ラヴァー」を口ずさんで、そこからゴードンといっしょに作った曲の歌詞につながる」
KC「「ゲット・イット・トゥゲザー」っていう曲があって、歌の中に出てくる主人公の気持ちはどうだこうだ、みたいな。彼はほら、男性だけど非常に女性的なメンタリティの持ち主だから、久保田・松尾組と恋愛に対する解釈がちょっと違ったんですよね」
久「その話の時も3人で居たんだっけ。で、「男は泣く?泣かない?」みたいな」
KC「その時は彼、彼氏を連れてきてたじゃないですか。その彼氏が「時間が長すぎる!もう待てない!帰る!」って帰ろうとしちゃったんですよね」
久「ああ、ちょっとキュートな感じの彼氏か。あの日にそんなことが!」
KC「で、ゴードンが後日「この間は俺の友だちが迷惑かけちゃってごめん」的な手紙を送ってきたんですよ。でも、その手紙にも自分の膨大なバイオグラフィが載っけてあって。僕、そういうところも大好きなんですけど(笑)」
久「セルフ売り込みはアメリカの人だと多いけど、特にその中でも彼はすごいよね。人の集まる大事な場に行って、チャンスがあれば自分で1曲でも歌おうとする。自分の名前を知ってる人がいればそこでトークして……という感じで。俺は色んな場面でゴードンに会ったけども、十数年かかって、結局自分のソロを出しましたからね」
KC「そうやって自分で自分の道を切り開いていく人なんですよね。じゃあ、今話に出ました、久保田さんがそのゴードン・チェンバースとコラボレーションした曲を聴いていただきましょう」
久「これには、やっぱりマーヴィン・ゲイが入ってるよ。「ディスタント・ラヴァ〜♪」って歌ってるもん。「サウンド・オブ・マーヴィン・ゲイ〜♪」って歌った後は何を歌ってもいいんだけど、それを敢えて歌ったってことは、あの時のやんちゃな会話の影響かもね」
KC「決して「レッツゲリローン♪」じゃなかったわけですね(笑)」
久「そこにマーチン(鈴木雅之)が居ればそうなったかもしれないね(笑)」
KC「(笑)。じゃあ聴いてみましょう、95年にトシ・クボタ名義のはじめてのアルバム『サンシャイン・ムーンライト』から、「ゲット・イット・トゥゲザー」」


TOSHI KUBOTA「Get It Together」

Toshi - Get It Together
Raheem DeVaughn「Love Drug」

Raheem DeVaughn - Love Drug


KC「ゴードン・チェンバースが作曲に加わっております「ゲット・イット・トゥゲザー」、そして、曲の中のマーヴィン・ゲイ「ディスタント・ラヴァー」に呼び出されるように、ラヒーム ・デヴォーン、彼の2008年に出ましたセカンドアルバム『ラブ・ビハインド・メロディ』から「ラブ・ドラッグ」。マーヴィン気分でお届けしました」

From the Bottom Up

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SUNSHINE MOONLIGHT

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Love Behind the Melody (Snyr)

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